『ボトルネック』読み直した

 

 『ボトルネック』について話す前に、私と米澤穂信の遍歴について軽く語ります。

 米澤穂信の作品は中学から高校にかけてだいぶ読み漁りました。どの作品も割と好きでしたが一番印象的だったのは『さよなら妖精』です。この作品は謎解き的な観点からはあまり評価できる作品ではありませんが、雰囲気と登場人物の一人である大刀洗がとても印象的だったことを覚えています。大刀洗はその後他の作品で活躍していますしそれらの作品もとても面白いのですが、本作では東欧から来た少女と大刀洗との対比的な関係が素晴らしかったことを覚えています。

 

 本作『ボトルネック』を読みなおして、私が一番強く感じたことは、「俺もこんな感じの本を書きてぇ!!」でした。この作品は米澤氏のデビュー作だそうで、文章に少し粗があったり、主人公の行動がおかしいと感じることも少なくありませんでした。情景描写に一貫性がないのも気になりました。しかし、主人公の置かれている状況の絶望感と作品の雰囲気の描き方が素晴らしく作用していました。終わり方も予想はできるが衝撃的ですべてをもっていかれました。途中ダレるかもしれませんが、最後まで読んだあとの読後の後味の悪さはなかなかです。

 このような小説書けるようになりたいなぁ~なんて……