00の4dx見に行った

見に行ったのは2週間以上前、とりあえずメモ代わり。4dx見たの初めてでちょっと驚いたので……

まず何よりも映画見てる最中にずっと「落ち着いて見せてくれ!!!」と思ってしまった。
まじで映画を見てるというよりアトラクション。ストーリには1ミリも集中できない。
ビームライフル打つたびに後ろから風が来るのやめてほしかった、あと爆発シーンにあわせて煙がスクリーン横から出てくるのなんかチープすぎて笑った。刹那が目覚めて出撃からは本当に揺れるわ、風出てくるわ、マッサージみたく背中押してくるしもう訳わかんねぇというのが正直なところ。

挿入歌の「もう何も怖くない、怖くない」が流れるシーンは映画を見るたびにうるっとくるのだけど、今回はそういうシーンでもガッツリ揺らしてくるので萎えてしまった。EDの最中と最後のシーンで揺らしてきたら本当にキレてたけど、流石にそれはなかったので良かった。

『半分の月がのぼる空』を読みなおそう……と思ったけど駄目だった

描写がキモい。里香を描く描写に何というかおっさんが少女を舐め回してるような雰囲気というか下品さというかがあって、絶対に高校生視点じゃねぇーと思ってしまった。うまく言えないけどキモち悪さを感じてしまった。
あと、フィクションがすぎる、これはねぇと。甘酸っぱさもオタクの妄想が過ぎてこれはねぇと。クサいとかじゃなくてキモい。嫌い。一度気になるともう耐えられない。
ミサワじゃないけど、違うベクトルだけどキモい。キモいポエムが多すぎる。
筆者が頑張ってるのが伝わってくるのは本当に辛い。


この作品を初めて読んだのが確か中学1年のころだった。当時はラノベなんてまったく知らなかったうえに、読んでいた小説のジャンルもミステリーかSFそれも、ゴリゴリの海外翻訳ものばかりであった。そんなわけで甘酸っぱい青春小説と呼ばれるジャンルの初めてが本作だった。

そういう背景だったので、自分の中では思い出補正とかが相まってこの作品がかなり美化されていた。

残念

千と千尋の神隠し

映画館で再上演が行われていることを知り、授業サボって映画見に行ったのが7月の半ば。一部の場面を金曜ロードショーで少し見たことがある程度だった自分は、なんとなく教科書的で堅苦しい作品のイメージがあった。期待値は正直そこまで高くなく、まぁ狭い大学寮にいても腐るだけだしちょっと映画見てみるかと思った程度。

 

しかし、これが最高に良かった。

 

当時はオンライン授業で、おまけに慶應にいた頃の単位が使えたのもあって時間だけを持て余していた。そのためアニメを片っ端から見ていたが、好きなアニメ自体がそこまで多くなかったこともあって段々とアニメが飽食気味になってきていた。そのような時期にこの作品を見たという背景が作品の評価にどれほど大きく働いたかは不明だが、新鮮な気分になったのは確かである。

 

一回目に見て一番心奪われたのは、人間からボイラー室のススにいたるまで登場しているキャラクターすべてがものすごく生き生きしていたことである。表情の変化や細かい動作が豊富でキャラクターが何を感じ何を思っているのかが手にとるように伝わってくる。余計な言葉や説明的なことなしに見せているのがとても良かった。

これはジブリ作品全般に言えることだが、本作では特に作中の雰囲気が最高にいい。なぜ、どのような理由で良いのかを今の自分の言語化能力で述べることは難しい。主人公の純真さや真っ直ぐさ、憎めないキャラクターしかいないこと、生き生きとした描写、音楽とかまぁそういったもろもろすべての要素がこの独特の素晴らしい雰囲気を作り出してるみたいな適当な説明しかできない。

 

結局一回目の視聴後、文字通りにこの作品に心奪われてしまい、その後今日に至るまで5回劇場に足を運んだ。そしてこれを書いているいるのが 2020/08/17 だが、翌日も行く予定である。

自分は作品はなるべく感性→理性という順番で見ることが多い。一回目純粋に作品を子供のように楽しんだあとで後にいろいろ考えて二回目以降を見るというものである。そしてこの定形に当てはめやすい作品を好む傾向にある。同じ時期に見た他のジブリ作品(風の谷のナウシカもののけ姫)なんかもまさにこの定形で作品を鑑賞したし、それがやりやすい作品だった。

 

何回見ても千尋が泣きながらおにぎりを食べるシーンはいろいろ想像して自分も泣きそうになる。その一方でエンディングに入る直前の最後のシーンでトンネルの先を見つめる千尋が何を考えているかを具体的に考察して言語化するのはまだ出来ない。おそらく何万という数の人がそのことについて考察したものをネット上で読むことは可能だが、なんと言えばいいか自分のなかで定まっていない解釈などをネット上で見たくないのである、汚染(表現悪いが)されてしまうような気がして(これについては色々思うことがあるので別に書く)。

他のシーンではキャラクターの動きによって感情が手に取るようにわかるが、最後のシーンだけはそれが出来ない。辛い。こういうことがあると、国語の大切さとか作品の鑑賞の仕方とか、そもそもの頭の出来とかいろいろ余計なことまで考えてしまう。

 

でもまぁ焦ってはいないので気長にいろいろ考えようと思うし、それが楽しい。

『ボトルネック』読み直した

 

 『ボトルネック』について話す前に、私と米澤穂信の遍歴について軽く語ります。

 米澤穂信の作品は中学から高校にかけてだいぶ読み漁りました。どの作品も割と好きでしたが一番印象的だったのは『さよなら妖精』です。この作品は謎解き的な観点からはあまり評価できる作品ではありませんが、雰囲気と登場人物の一人である大刀洗がとても印象的だったことを覚えています。大刀洗はその後他の作品で活躍していますしそれらの作品もとても面白いのですが、本作では東欧から来た少女と大刀洗との対比的な関係が素晴らしかったことを覚えています。

 

 本作『ボトルネック』を読みなおして、私が一番強く感じたことは、「俺もこんな感じの本を書きてぇ!!」でした。この作品は米澤氏のデビュー作だそうで、文章に少し粗があったり、主人公の行動がおかしいと感じることも少なくありませんでした。情景描写に一貫性がないのも気になりました。しかし、主人公の置かれている状況の絶望感と作品の雰囲気の描き方が素晴らしく作用していました。終わり方も予想はできるが衝撃的ですべてをもっていかれました。途中ダレるかもしれませんが、最後まで読んだあとの読後の後味の悪さはなかなかです。

 このような小説書けるようになりたいなぁ~なんて……

『広田弘毅』読んだ

 

 広田弘毅について書かれている有名な小説の『落日燃ゆ』を読んだことがないので、彼がそこでどのように書かれているかは詳しくはわかりません。しかし、この本を見る限り本当に彼の評価は難しそうですね……

 個人的にはやはり陸軍に何も言えず(言わず)に彼らの暴走を許したり、ポピュリズムに流されたりと、肝心なところでの不甲斐なさは言い逃れできないと感じました。

 本書は7章までありますが、①外相になるまでの時期 ②外相&首相を務める時期 ③その後 という3つのおおきな区切りがなされています。①の部分では著者が広田をかばうような表現がところどころに見られ、広田に才覚があったという印象を持たせるには十分です。そしてそのうえで②の時期において、広田が精彩と熱意をだんだんと欠いていき、ただただ不甲斐ない首相or外相になっていくという構造になります。この構造によって、才能がありながらも軍部に強く出れない広田が段々と諦観的になっていくように見えてしまうのですが、これは果たして本当なのでしょうか? 外交官試験に一回落ちているとはいえ主席で合格する人間が優秀でないわけ無いといえば、たしかにその通りではあるでしょうが、外交官時代も別段優秀であったとは感じませんでした。結局この著者もこの本の副題にあるように「悲劇の宰相」という呪縛から逃れられなかったのでしょうか

 

 ところで、こんなに偉そうなこと書いてきたんですが歴史系の新書をまともに読んだの実は初めてなんですよね。この本は書店でたまたま手にとってなんとなく読み進めたのですが、面白かったのでそのまま購入しました。やっぱり本屋ってそういう出会いがあるのがいいですよね。緊急事態宣言化では、本屋も図書館もしまっていたので解除はありがたいものです。

『人類は衰退しました』読み直した

1巻から9巻&短編集まで含めて、一気に読み直したので、一気に書く。ネタバレはないと思う。

 

【一巻】
大枠より細部に注目して読んでいることに気づいた。複線かなりあるなーっていうのと、情景描写しっかり入れてるなぁーっていうのと、語り口巧妙だなぁと
【二巻】
視点について。視点ぐちゃぐちゃだけど小説の中でもそういうの全く気にしないジャンルと言っても過言じゃないラノベ出しまぁありなのかなと
文章の書き方はTwitterのほうがうまくね?と思うことが多々ある。まぁ量の問題だろうけど。
難しいというか、お硬い文章を書こうとしてるとき、もう少しうまくできそうと思うことがちらほら
案はすごく好き、物語の落ちまで含めた本流は小型化もタイムパラドクスも好き。ただ細部は少し冗長でしつこさが残った
【3巻】
長い話。割と面白い。どこがと聞かれても答えようがない。強いて言うなら語り口調。最初はむしろこの形式はどうなと思ったけど、その自由さが物語の雰囲気とマッチして絶妙にほのぼの担ってるのさすがとしか言えない
【4巻】
工場のはなしはそこまで。ただ漂流のはなしは一番好きな話。最後の祖父のオチの付け方まで含めて完璧。アニメだとこの回本当に妖精さんのゆるふわさが出てるし、EDの入り方も神がかってるしサイコーなんだよな
切羽詰まってない漂流っていい。妖精さんのゆるふわと危機的状況というのがミスマッチに見えて絶妙にいい具合を醸し出してるの本当にすごいなぁと思った
【5巻】
1つ目の話。好きだなぁ〜本当に。本当に好きや!!妖精さんあまり出てこないけど。学内の雰囲気の話ももちろん好き!!でも最後頭の中に妖精さんずっと一緒にいたとかロボットの中で妖精さんたちがお茶会やってたみたいな話。泣ける……
2つ目の話。正直イマイチ。まぁ悪くないけどネ。ただ、作者のノリが少し自分と合わなくて、その少しが、作者がノリノリのとき大きな違いとなって出てくるから、ちょっとつまらなく感じてしまう。オチもいまいち。ただ、以前にも書いた、ラノベっていう自由さはふんだんに使っているし、むしろ発展してるくらい
【6巻】
薄い。おまけにけっこう時間も開いてたみたい。内容の方は相変わらず。前半がドラえもんで後半はよく分からないやつ。今回はまぁ大筋はいつもと同じだけど、少し安直でひねりがない。最後のオチもブラックな感じも薄め。同類誌の方は少しクスッとはしたがまぁ……といった感じ。薄いしすぐ読み終わってしまう
【7巻】
前半。里で学校つくる話。まぁ悪くはない。一巻では考えられないほど「わたし」がコミュ力と対人交渉力持っててワロタ。成長しまくりやん。一周目読んだのかなり昔だから覚えてないけど、これ物語の本筋というか、ラストのとこにつながるような話?「衰退中なんか知ったことじゃない!こっちはまだ子どもなんだ!これから生きていかないといけないのに、ぜんぶ終わったみたいに言うな!」これは印象的なセリフ
書き起こして思ったけど、ひらがな多く使ってるの文体優しくして、軽い雰囲気にするのに効果覿面だな
そして、だからこんなにスラスラと読めてしまうのかも
後半。中々面白いストーリーかなと。ただ細部が少し気になる。今にもまして、ネタの内容が適当に、そして時系列的ネタが現代的視点を逸脱できていないことが非常に気なってしまった
叙述も面白い試みだとは思った
【8巻】
アニメ化でペンが乗ってるのか、知らないけどキャラのブレというか、今までのキャラとの違和感がある。今までは超えてはいけない一線超えてないし、最低限モラルがあったから、このほんわかした雰囲気のなかでキャラクターを好きになれたのに、今回は「わたし」ふくめてなんだか好きになれない。
「わたし」の考え保守的すぎて……作者の考えが投影されてたり、もしくは自分がモデルの一部になってたりすることは想像できるけど、そこに微妙に好きになれない要素があって駄目
設定がハッキリしてない(世界観がゆるふわ)だから、「わたし」の考えが2010年代の人間と同じ視点っていうのは当然だしsfじゃないからそこに厳密性を求めるのはナンセンスだけど……やっぱり気になっちゃうものはしょうがない
男の描く女性の限界をそこはかとなく、そんなに頻繁じゃないけど、ごくたまに、それこそ一冊で数回程度だけど感じてしまう。でもそれが回り回ってなんだかなぁ〜が蓄積されていく
ただ、話は面白い。今回はいつもと毛色変わって、大筋のストーリでガッツリ文庫一冊分長編出してきたなといった感じ。いつもは細部とオチで読ませに来てたが、今回は正直細部はイマイチ、オチも特にない。けどクライマックスはあるし、ビーズもつながるし、一つの映画を見終わったようなスーっとした感覚が残る。悪くない。
赤ちゃん出産って、物語のクライマックスと相性いいよな。さていよいよ次が最終巻。今回もなかなか最後のオチへの伏線マシマシ巻でいいね!!
【9巻】
面白かった。最後のどんでん返しは一回目ほど衝撃的ではないにしても、やはりそれなりのインパクトはある。
うん。面白かった。まぁそんなところ。最終巻だけどカタルシスはあんまりない。
【短編】

こっちが、真の最終巻。

最後の話を読み終わったあとのカタルシスといったらもうね。物語上の世界の雰囲気とマッチして寂しさはあるけど、希望とそれから明るい未来をともに感じるようなエンド。最高。過疎&子供っていう構造は前の話にもあったけど、寂しさがいい感じに機能すると思う。
好きだなぁ……本当に好きだ。雰囲気最高だ。もう好き好き。この感覚久しぶりだなぁ……この胸にぽっかり穴が空いたような空虚感
最終回完璧すぎねえ……続きほしい。永遠にやってほしい。飽きるまで。
本当に面白いし、読みやすいし、ほっこり雰囲気も最高!!
これまでの巻みたいにガッツリ出来事もいいんだけど、短編もやっぱりちょいちょい出してほしいよな。だってそういうのがすごい合う作品だもんなぁ。まぁもう出ないだろうけど……

文句なしに一番好きなラノベ。(ラノベあんまり読んでないけど)

ズートピアを今更見た

 思ったことだけつらつらと書いていく。まとまりは特にないと思う。ネタバレはある。

・開始五分でTHEサクセスストーリー流れてきて、これがアメリカかっ!!ってなった。完全に典型的というか、ここまで潔く小学生でも思いつきそうな社会的弱者の成り上がりを書くかって思ったけど……

・すごい露骨にすべてのシーンに、現代社会が内包する差別的なことやそこまで行かなくてもマイノリティが感じることを打ち出されると、いくら動物社会って形をとってごまかしてもうんざりしてくる。

・V字開脚のシーンには笑った。ディズニー割と攻めるなぁ。ディズニーのことよく知らないけど、子供向けだからっていうことは製作中も多分全く考えてないよね。そもそも子供向けなのかはしらんけど……

・差別される側の問題だけでなく、後半は差別してる側の地位とか性質をもったグループに属してるけど、そういう意図はなくて、むしろ差別主義者って思われることへの苦悩を感じている者たち(逆差別受けている人たち)とかをガッツリ描くのすごい。

アメリカを強く感じる作品だった。アメリカ人はどう思ってるんだろうな。

アメリカ社会を動物で表してみましたwwって作品が売れるのか?やっぱりcgiとかそこらへんのすごみも考えなくちゃいけないのか?

・シナリオはうんち。ただ所々の格好良さは格別。大きな本枠じゃなくて、小さいところ。例えば、周りの様子とか、細かな仕草とかキャラクターのやり取りの上手さとかで惹きつけるってのはあるかも。そして個人的にはそっちのほうがうまく行くんじゃない?

・肉食動物=ヘテロ白人&草食動物=マイノリティって捉え方を何故かしてたけど、違うよな。マイノリティじゃなくてただの弱者。でも、こういう思い込みをしてる人は本当に多いと思う。俺もそう思ってた。例えば、ネズミが現実世界のどのグループのステレオタイプかって言ったら、絶対アジア系だよな。そういう構造というか、誰もが内包しちゃってるものを、白日のもとにさらけ出すことがこの作品の本当のテーマである可能性はあるな。

・終わり方のゴリゴリのメッセージ性まで含めて、これがディズニーなんだろうな!!って思った。あのハッピーエンドっぷり。これが世界中で受けてるんだろうな!!子供に見せたいか?まぁyesだな!!日本の子供向けアニメのメッセージは勧善懲悪ものが多いイメージだけど、これはもっと切り込んでるよな。ズバズバと。

・一つ気になったのは、そもそも多様性が大事。ステレオタイプは良くないって言いながら、ものすごく人間が動物に対して持っているステレオタイプバリバリなの面白い。この作品見た人たちは、キツネ=狡猾というステレオタイプを植え付けられていることだよな。こういう構造が世の中にたくさんあるから見極めたい。無理だろうけど……そもそもステレオタイプって特徴からくるものが全てじゃなくて、因縁とか思い違いみたいなのが多いのに