白夜行読んだ

 東野圭吾作品は『秘密』『さまよう刃』『容疑者Xの献身』だけしか読んだことがなかった。有名所を読んだつもりが、見事に胸糞悪い系ばかりでこの人の作品そこまで好きという訳ではなかった。この作品も上の3作ほどではないにせよ、読後はなかなかに暗い気持ちになった。どうやらこれが東野圭吾作品の売りらしい……あんまり好きになれないなぁ。ただひどく読みやすかった。悪く言えばあっさりしすぎて軽いけど読みやすいに越したことはない。

 以下思ったことをつらつらと。

 人多すぎで展開飛び飛びなので名前覚えるのが苦手な自分は苦労したが、雪穂と亮司の周りの人間をたくさん描きそれぞれの視点から二人を描かせ二人の人物像を作り上げていくのうまい手法だと思った。決して雪穂、亮司視点を作らないことですべての真相がわからないっていうのと、雪穂、亮司の真意がわからないからより一層彼らの存在を不気味で怖いもの感じる。本当に二人怖ええって思わせるのは凄いうまいと思った。

 最後の亮司の行動がまぁおそらくこの作品トップレベルのキーポイントだと思う。最後まで、亮司が何考えてるかわからないやつだからこそ、この亮司の行動の真意をいろいろと想像できるのが良い。亮司と雪穂の関係とかね。読者の想像にお任せします的ENDは正直そんなすきじゃないけど、この作品のそれは良かった。

 結論。面白かった。東野圭吾作品特有?の読後のあと引くあの感覚もしっかりあるし、視点の切り替えの多様も凄い効果的だったし、長いけど読みやすくて結構楽しめた。

良い通学時間暇つぶしになった。